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言語は人間に関わる生活的意味が自然発生してのちそれらの意味が固定され次々の世代に伝承されてきた。
又言語はその意味するところと同時に合わせ持つイメージを有し、表現手段として最も高度なものと云える。

言葉の持つ二つの形態の一方である文字について考えてみると文字は平面に置かれた「色」と「形」という意味において絵画と同様な次元に位置するものと考えられる。これを出発点として文字と色の関係を創り出すことが私の仕事の主旨とすることろである。

具体的には書き言葉としてアルファベット二十六文字をそれぞれ固有の色に置きかえて言葉、文章を “色訳” し再構成することである。そしてまず色訳にあたってその方法論とも云うべき表現方法を決めることからスタートした。

次に色訳の対象とする内容を選ぶ段においては文字が発生以来果たしてきている機能を大きく三つのカテゴリーに分類して、それぞれ私にとって象徴的と思えるものを登場させた。そしてこれらを総括して「本」のカタチとして作品とした。
ちなみに三つのカテゴリーは以下の通り。

  1. 特定の様式と共に用いられるもの
    証書、標識、書類など
  2. 学問全般に関する記録、研究の伝達及び書物一般
  3. 芸術表現の手段
    詩、小説等

以上、この色訳の仕事のスタートから本にする為のプロセスを簡単ではあるが順を追って述べてみた。
色と文字を関係づけるにあたっての方法論は光学的アプローチは無視して絵画的アプローチを土台としてすすめた。

アルファベットと色、この二つの異質な世界の接点を見つけるためにそのヒントを求めて「言語」と「色彩」各々をいろいろな角度から考察をすすめてみた。

結局偶然出会った言葉 “RAINBOW” が色訳の核となったがそれは虹を表すこの言葉が七つのアルファベット(R・A・I・N・B・O・W)から出来ていて虹の七色を意味することからこれらの七文字に七色をあてはめることを最初におこなった。

七色のどれをどのアルファベットに決めるかについては各アルファベットが我々の生活の中で目にする “頻度” や “組み合わせ” など私自身の表現の条件を考えて決定した。同様に残りの十九文字(十九色)もそれぞれ固有の色に置きかえて一つ一つを色の「タンザク」として扱い、単語、文章を色の帯に変えて表現した。

内容については以下の通り。

1 カラートランスレーション
3 – 4 イタリア料理のメニュー
5 – 6 アインシュタイン、バッフルの物理
7 – 8 月面着陸
9 社会のデジタル化
10 クローン人間
11 – 12 U٠F٠O
13 宗教
14 – 15 フロイド・夢
16 レインボーのデッサン
17 レインボー
18 詩(現代詩/アメリカ)
19 – 20 小説(チャタレー夫人の恋人)
21 – 24 詩(All you need is LOVE/ジョン・レノン)
25 カラートランスレーション サイン

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